Milk & Water

水で割った牛乳、転じて、毒でもないが薬にもならないもの(またそういう人生)

8月9日の夢

旅館のような、施設のような場所にいた。目が覚めたときには広い部屋に敷布団が一枚敷かれていて、そこでたったひとりで寝ていたけれど、朝食の時間になるとその部屋に旅館でごはんが出てくるときのような背の低いミニテーブルお盆みたいなのに食事が乗って出された。わたしのほかに9人くらい子供がいた。だいたい小学校中学年から大きい子で中学生くらいの子供たちだ。わたしは自分の姿を鏡で見たわけじゃないけれど、ここにいるということはわたしも子供だったのかもしれない。

ほかの子供達は新入りのわたしを遠巻きに見ながら楽しげに食事をしていた。ひとりでぼう、と食べていると、ガキ大将っぽい中学生くらいの男の子と、小学五年生くらいの女の子のペアがわたしに喋りかけてきた。

「仲間に入れてほしいならわかるよな?」と男の子は言った。わたしが「わからない」と返すと、わたしが食べ終えたおかかが乗っていた皿を指差して、「これだよこれ、明日は俺たちに寄越せ」と言った。ここではおかかがそんなに価値のあるものなのか、とびっくりした。わたしは高圧的に来られている割にはいやではなく、むしろふたりに懐いていた。

シーンが切り替わって、その旅館のような施設のような建物から出て、緑がたくさんの庭園の中にある図書館(のような場所)にいた。みんなで本を読む授業だ。といってもかなり賑わった空間で、ふざけた声で絵本を読み上げる子供や退屈そうに潜めて話す子供たちもいた。

ひとりが、ふいに立ち上がった。ガラス戸に手をかけると、そこは(うまく言えないけどこの庭という空間よりもっと外)本当の外だった。光が差し込んでいたはずなのに、戸の外は真っ暗だった。アラートが鳴る。重装をした兵隊のような大人たち(そんな人たちはさっきまでどこにもいなかった)がわらわらと出てきて、子供たちを追いかけて撃ち殺していく。わたしはひとりの女の子の手をとって、最初のごはんの部屋まで逃げて、障子の裏に隠れる。息を殺しても鼻から息が漏れる。歯が震える。障子の前に大人の気配がある。銃で撃たれるとき、不思議と痛くはなく、ああ、繰り返す、と思う。